耳の治療
耳が痛い、耳が詰まる、耳が聞こえにくい、耳鳴り、耳だれ、めまいなどの症状が現れましたら、
早めにご相談ください。
急性中耳炎
子供に多い疾患です。
かぜをひいていて治りかけかなと思う頃に、突然の耳痛で発症することが多いです。耳と鼻の処置と内服薬の服用で改善することが多いですが、重症例では鼓膜切開が必要なことがあります。
滲出性中耳炎
痛くない中耳炎で耳痛はほとんどなく、難聴や耳閉感が主な症状です。
子供と60 歳以上の方に多い疾患です。
耳管(みみとはなをつなぐ管)の機能不全が原因で、難治性のことも多く通気処置(鼻から耳に空気を通す処置)や鼻処置で根気よく治療することが必要です。
重症例には鼓膜切開や鼓膜チューブの挿入が必要です。
大人の方については当院で施行可能ですが、安静を保てない子供の場合は全身麻酔下に施行する必要があり、適切な病院を紹介させて頂きます。
耳垢栓塞(耳あか)
耳あかが固まって耳栓のようになり難聴を来すものです。
普段耳かきはしていても実はうまくできておらず、耳垢を奥へ押し込んでいるケースも多々見られます。耳垢の除去も耳鼻咽喉科医の仕事です。
みみあかぐらいで受診いいのですかと聞かれることもありますが、
全く問題ありません。
難聴
乳幼児の場合は先天的な難聴の可能性があります。当然聴力検査もできませんので、疑いがある場合は脳波検査が必要です。眠らせて施行するため、検査可能な病院に紹介させていただきます。
3歳ごろから小学生低学年の場合は、前述の滲出性中耳炎のことが多いです。
成人の場合は中耳炎や進行性の感音難聴、急な場合は突発性難聴の可能性があります。聴力検査や中耳CT で診断が可能です。
年齢とともに徐々に難聴を自覚した場合は、加齢性難聴の可能性があります。
中程度以上の難聴は補聴器が必要になり、重度難聴は身体障害に該当する場合があります。当院から申請が可能です。補聴器の調整や購入は必要な検査を施行の上、補聴器専門業者に紹介させて頂きます。
めまい
めまいの多くは耳鼻科の領域が原因です。体の向きを変えると数秒から数分続くめまいが起こる場合は、三半規管の中に耳石ができる良性発作性頭位眩暈症の可能性があります。めまいの原因として最も多い疾患です。めまいの症状が起こったときに、難聴や耳がつまった感じがある場合メニエル病の可能性があります。繰り返すことが多いですので早期の診断が必要です。
そのほか、高度な難聴を伴う突発性難聴が原因のめまいや、聴力低下はないが起き上がれないほど強いめまいがある場合は平衡感覚をつかさどる神経に炎症が起こる前庭神経炎のこともあります。
当院では赤外線CCD カメラを用いて、めまいの時に出現する眼振といわれる目のゆれを確実に診断することができますので診断の一助になります。
顔面神経麻痺
単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルスが原因で顔面の運動をつかさどる神経が麻痺をして顔の半分が動かなくなる病気です。
ステロイドを内服や点滴することで70%以上回復いたします。
重症例や糖尿病を合併されている場合は、入院加療が必要となることもありますので連携病院へ紹介させていただきます。